山中野営場閉鎖の知らせに、真っ先に思い浮かんだのは、
スカウト・ソング「われはふくろう」です。
昭和22年、福島の青年会館で開催された、第1回指導者講習会に参加した、副長の五十嵐俊雄君が、
「ヨシちゃん(私の呼び名)、今度の講習会で、素晴らしい歌を習ってきたぞ」
と言って、教えてくれたのが「われはふくろう」だったのです。
講習会のハイキングの帰り道、ハチスのスカウトと一緒に歌った様子を、
自慢げに語ってくれました。特に「務め果たし、心さやか」の部分に、
深い感銘を覚えたと言っていました。
スカウト歌集にもある通り、この曲の全曲は、イギリスのスカウト・ソング、
「Back to Gilwill」で、オールド・スカウターが、ギルウエルに帰って、
また、お手伝いをしようという歌なのです。
戦前、吉川哲雄先生が、山中野営場のイメージを歌詞にして、
この歌に「懐かしの森へ」と言う題名を付けたのです。
その後、わがハチス隊では、これに「ああ磐梯のふもと、ハチスの森かげに」と、
歌い継いで来たのです。オールド・スカウトも含めて、
スカウト・ソングと言って、多くの人は、
筆頭に「われはふくろう」を挙げるものと思います。
野外活動から離れて、20年も経ちますと、知らず知らずのうちに、
「われはふくろう」を口ずさんでいて、「務め果たし心さやか」の行に、
特別の共感を覚えるのです。
余談ですが、歌集にある「みちのく」は、吉川哲雄先生が作詞された詩に、
わが、秋月鏡観が作曲されたものです。
こうした、ハチスにつながりの深いソングを、どんどん歌ってほしいのです。
このほか、先代の団委員長秋月亨観先生のソングも載っていますので、
探して見て下さい。
平成29年9月30日
ハチス団委員 赤城良一