ハチス 思い出話(22)

山中野営場閉鎖の知らせに、真っ先に思い浮かんだのは、
スカウト・ソング「われはふくろう」です。

昭和22年、福島の青年会館で開催された、第1回指導者講習会に参加した、副長の五十嵐俊雄君が、
「ヨシちゃん(私の呼び名)、今度の講習会で、素晴らしい歌を習ってきたぞ」
と言って、教えてくれたのが「われはふくろう」だったのです。

講習会のハイキングの帰り道、ハチスのスカウトと一緒に歌った様子を、
自慢げに語ってくれました。特に「務め果たし、心さやか」の部分に、
深い感銘を覚えたと言っていました。

スカウト歌集にもある通り、この曲の全曲は、イギリスのスカウト・ソング、
「Back to Gilwill」で、オールド・スカウターが、ギルウエルに帰って、
また、お手伝いをしようという歌なのです。

戦前、吉川哲雄先生が、山中野営場のイメージを歌詞にして、
この歌に「懐かしの森へ」と言う題名を付けたのです。

その後、わがハチス隊では、これに「ああ磐梯のふもと、ハチスの森かげに」と、
歌い継いで来たのです。オールド・スカウトも含めて、
スカウト・ソングと言って、多くの人は、
筆頭に「われはふくろう」を挙げるものと思います。

野外活動から離れて、20年も経ちますと、知らず知らずのうちに、
「われはふくろう」を口ずさんでいて、「務め果たし心さやか」の行に、
特別の共感を覚えるのです。

余談ですが、歌集にある「みちのく」は、吉川哲雄先生が作詞された詩に、
わが、秋月鏡観が作曲されたものです。

こうした、ハチスにつながりの深いソングを、どんどん歌ってほしいのです。
このほか、先代の団委員長秋月亨観先生のソングも載っていますので、
探して見て下さい。

平成29年9月30日
ハチス団委員 赤城良一