ハチス 思い出話(60)

歌は世界共通

日本連盟発行の「スカウト歌集」を拡げると、日本の歌と思っていた歌が、
外国の曲に歌詞を付けた歌が、意外と多いのに気がつくと思います。

「光の路」、「そなえよつねに」、「名誉にかけて」をはじめ、
「歓喜に寄する頌」、「懐かしの森へ」までが外国の曲なのです。

中にはドボルザークの「新世界より」、ベートーベンの「田園」、
ヴェルディの「リゴレット」など、歌劇や交響曲に歌詞を付けた曲もあります。
その他、世界各国の民謡、フォークソング、イエールなどもあり、
歌集の3分の1は外国の曲のようです。

ボーイスカウト活動は、いうまでもなく国際的な活動で、
2月22日のBPの誕生日は、世界友情の日とされています。
ジャンボリーでの外国スカウトとの交流をはじめ、キャンプファイヤーなどで、
一緒に歌うことも珍しくありません。

「雪よ岩よ われらが宿り」と歌われる「雪山讃歌」は、アメリカ民謡の、
「いとしのクレメンタイン」が原曲で、アメリカのスカウトなら、
誰でも知っていると思います。日本とスカウトが一緒に歌ったら、
歌詞は違ってもメロディーは一緒で、楽しく合唱できると思います。

この「クレメンタイン」の曲に、わが鏡観先生は、12の「おきて」を当てはめ、「おきての歌」を作詞されました。
この替え歌によって、ハチスのスカウトは、12の「おきて」を簡単に暗記することが出来ました。

われらはスカウト 誠実である 忠節 人の力 友誼に厚い
われらはスカウト 礼儀正しい 親切 従順 快活である
われらはスカウト 質素で勇敢 純潔である つつしみ深い

この歌詞を、「雪山讃歌」のメロディーで歌ってみてください。
現在、「おきて」は8項目ですので、同様に作詞してみてください。 
鏡観先生は、ドイツワンダーフォーゲルの歌に、「あるけ」という歌詞をつけ、
吉川哲雄先生の作詞した「みちのくの」に、曲を付けておられます。
秋月亨前団委員長も、「スキーイング」、「雪は楽し」などの歌を作詞作曲し、
「スカウト歌集」掲載されています。

「サラスポンダ」、「ハンスカレーベ」、「クイカイマニマニ」などは、
世界共通のスカウト・ソングで、交歓活動の歌として、最適の歌思いますので、
大いに歌ってほしいと思います。

ちなみに、「雪山讃歌」を作詞したのは、昭和32年の第一次南極観測隊の、
越冬隊長だった西堀栄三郎氏で、日本山岳協会会長や、
ボーイスカウト日本連盟の役員も務められた方です。

平成30年3月6日
  ハチス団委員 赤城良一