アンノンスカウト
BPがボーイスカウト運動を創設した直後の1909年、イギリスのロンドンで、
アメリカから来たウイリアム・ボイス氏は、訪問先が判らず困っていました。
そこに一人の少年が現れ、「何かお役に立つことがありますか」と尋ね、
理由を言うと、少年は先に立って、訪問先までボイス氏を案内しました。
ボイス氏は、少年にチップを上げようとしましたが、少年は敬礼をして、
「僕はボーイスカウトです。今日は未だ良いことをしていません、
お役に立てて嬉しいです。スカウトはお礼は戴きません」と姿を消しました。
ボイス氏は、ボーイスカウトに興味を持ち、ボーイスカウトの本部を訪れ、
BSのことを調べ、アメリカに帰ってBS運動を始めました。
その後、この少年を探しましたが、見つかりません。アメリカ連盟では、
この少年を「アンノンスカウト(名も知れぬスカウト)」として、
記念にバッファローの銅像を造り、1926年、ギルウェル指導者訓練所で、
銅像の贈呈式を行ないました。この話は、「一日一善」のエピソードとして、
よくご存じのことと思います。
私は、足が弱くなっていますので、買い物などで外出するときは、
「ハイカラさん」や「あかべぇ」などのバスを利用しています。
修学旅行シーズンになると、大勢の小・中・高校の生徒が乗り込んできます。
バス停にも、生徒たちが次のバスを待つ間、私は「君たちは何処の学校?」と尋ねたり、「これから何処に行くの?」などと声をかけます。
生徒たちが「飯盛山」、「武家屋敷」と答えますと、その施設の見どころや、
戊辰戦争や白虎隊などの、エペソードなどを話しています。特に、新潟、宮城、
千葉県など、彼らの町との関係を説明しますと、興味を持って聴いてくれます。
BS活動のなかで、以前は技能章があり、案内章がありましたが、現在は、
チャレンジ章として案内章があるようですね。課題を見ますと、
(1)道を聞かれたときに、教えることができる。
(2)地図上で、地域のバス路線を示し、道順を教えることができる。
(3)自分の住んでいる地域の公共施設の場所を案内できる。
(4)自分の住んでいる地域のイラスト観光地図を書ける。
などがあるようです。
ボーイスカウト日本連盟初代総長は、「自治の三訣」として、
人の御世話にならぬ樣。人の御世話をする樣に。そして報いを求めぬ樣。
と教えられました。
案内章の取得を目標に、「会津のアンノンスカウト」の実践をして見ませんか。
令和元年8月4日
ハチス団委員 赤城良一
バッファローの像